忍者ブログ

雲のように…月のように…

雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

地元

私の地元は繁華街から東に車で15~20分程の住宅地であります。市営住宅や古いアパートが多く一昔前は低所得者層が一番多い所だったようでありますが、今では出世してご立派な住宅地。私の家は両親共働きではあったものの、ごくごく普通の何不自由ない中流家庭でございました。30年前当時、新しい造成地だったため今ほど家は無くガラーンとしたイメージが頭に残っております。

私はなかなか愛想が良く近所の方々に挨拶を欠かさない子供でした。お陰で近所の皆様には随分と可愛がっていただきました。やがて中学生になって服装もかなりガラが悪くなり、くわえタバコで歩くようになっても誰もが変わらず接してくれました。高校生位にもなると歩く先々で捕まっては世間話の相手をさせられておりました。庭いじりや家庭菜園の畑仕事の手を止めて声をかけてくれるのが嬉しくてついつい話を聞いてしまうのです。

「今年は天気が悪いから豆に実が入らない。」「そこからトウキビもいで持って帰りなさい。」「うちの子に勉強するように言ってくれ。」「近所で暴走族がうるさいから叱ってやってくれ。」とか、炎天下のビニールハウスの中で盆栽について2時間もうんちくを聞かされた事もあります。あの時ばかりは本当に死ぬかと思いました(汗)。ほどなく暴走族はうちの近所を通るときエンジンを切ってバイクを押して歩くようになりました(笑)。

最近は隙間無く家やマンションが建ち並びすっかりと変わってしまいました。ですがこの歳になった今でも実家の方に顔を出すと、昔からいるお年寄り達が声をかけてくれます。釣りの調子はどうだとか畑の野菜がどうだとか昔通りに、皆私の稼業を知ってはいるはずなのですが…。そんなお年寄りたちも年々一人減り二人減りと寂しいしだいでございます。

ありがたいものです。子供の頃から見守られているような…。

そろそろ住まいだけでも地元に戻ろうか…と思う今日この頃です。

PR