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雲のように…月のように…

雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…

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政 (まつりごと)

人間は、群れを作って生活をする動物であります。
山奥で独り何かを求め生活する・・・そんな選択でもしない限り、人は人と関わりあって暮らしていかなければなりません。これは、好むか好まざるかに関係無く当たり前の事であります。そして、仕方のない事なのです。

自称『人間嫌い』とか『人間が苦手』なんて無茶な事を言う方が結構おりますが、生活の場に人間が関係していない物など存在しているのでしょうか。人が生きるという事は、自動的に多くの人達と行動を共にしていかなければいけないのです。

「私、人間が嫌いになりそう・・・。」なんて馬鹿げた事を言い出す人をよく見かけますが、それが本当なら無人島にでも飛ばなきゃなりません。まぁ、彼らの言わんとする処は、全ての人間という意味ではなく『私の周りの人間』を指しているのでしょうけども・・・。

最初に言ったように、人間は群れを作って生きています。今の日本の社会では、いくつもの群れに所属し、その多数の群れを頻繁に行き来しなければなりません。家族、職場、学校、友人、恋人・・・etc。一つのグループで一生共に行動をする訳では無いので、これも仕方の無いことであります。アフリカの田舎に暮らすような、部族一単位という具合にはいきません。

人間不信になるのも、人間大好きになるのも、自分の所属する群れによるところが大きいと思うのです。群れには、必ずリーダーという者がおります。良い群れには良いリーダー、同じく悪い群れには悪いリーダーがいるものなのです。
前置きが妙に長くなってしまいましたが、今回はリーダーのお話をしたいと思います。

※『群れ』という言葉を連発していたら、どこかの宗教みたいで自分で気分が悪くなってまいりました・・・。不快に思った方がいたらゴメンなさい・・・。

リーダーには色々と必要なものが沢山ございます。知恵、力、勇気、思いやり、決断力・・・etc、リーダーと呼ばれる者であれば、ここら辺のものがある程度は備わっていると思います。ある程度と言いましても、そのある程度が怖いのですが・・・。知恵の足りないリーダーに付いていってもロクな事がありませんから・・・(汗)。どれかが欠けても、どれかが多すぎていても、あまり上手くは行かないものであります。

色々な要素が必要な中で、私がリーダーにとって一番重要と考えるものがございます。
それは、『分配する能力』。
大まかに2つ、分け前の分配、負担の分配であります。
何だよ!そんな事かよ!と思う方もいらっしゃるでしょうが、これは実に大切な事なのです。

分配の仕方一つで、不平や不満が沸き起こるものであります。物質的な面や、精神的な面、労働力や能力にも関係して分配は行われます。配当を受け取る側に、不平不満が少なければ少ないほど、より良いリーダーという事になるでしょう。世の中には各ジャンルに大小様々なリーダーが存在し、そして様々な形態で物事を分配していかなければならない訳ですが、解かり易く『会社』を例にお話させていただきます。

開発・製造・販売を全て行っている【防犯グッズ】を扱う会社があったと仮定しましょう。分配する物の代表といえば先ず『給料』だと思います。社員を一律に時給で考えると、どうなるでしょう。営業マンや開発部門の仕事を、時間で計算するのはかなりの無理があると思います。工場で製造を担当している人達の仕事量は、時間で計ることが可能かもしれません。それにしても、仕事の効率や其々の作業内容を加味しなければ公平感が損なわれる事でしょう。

それでは、能力給や成功報酬で考えてみましょう。営業マンへの分配を考えるには良い方法かもしれません。売り上げによって給料が決るので一見公平に感じますが、都会の犯罪率の高いエリアを担当している者と、田舎の犯罪とは無縁の地域を担当している者とでは、当然のように売りやすさが違います。その辺を考えると「あいつらんトコは、客が多いから楽で良いよなぁ!」なんて不満の声が聞こえてきそうです。

開発者はどうでしょう。新商品を生み出すために日夜努力をしているのでしょうが、その評価は非常に難しいものです。成功報酬で考えると、新商品を開発するまでは給料が出ない事になります。かといって、時給にすると開発意欲が無くなってしまうかも知れません。基本給+ヒット商品を開発した時の成功報酬、これが無難なところでしょう。しかし、ここでも開発に貢献した個人だけが昇給するのか、チームが昇給するのか、開発部門が総じて昇給するのか・・・、こんな感じでまた不満が生まれてしまいそうですね(汗)。

宣伝や広告によっても変わってくるかもしれません。会社が宣伝に力を入れれば、営業マンの成績が突然上がるかもしれません。営業マンは成功報酬をたくさん貰えますが、工場が忙しくなってもさほど恩恵を受ける事ができなければ当然不満が生まれます。『工場で働いている人の家に泥棒が入り、自社の製品で撃退した!』という話がニュースで取り上げられて商品がヒットした、なんて事になると何が何だか解からなくなってしまいます。

たかだか給料の分配の仕方でも、皆に不満無く分配しようと考えると、こんなに大変な事なのです。分配は、利益だけに限られた行為ではありません。負担の分配もあるのです。『向こう1ヶ月の間、工場を18時間稼動しなければ納品が間に合いません!』こんな事が起きるかもしれません。当然、工場で働く人達は膨大な残業や休日返上を余儀無くされます。残業代や休日手当てを支払えば、不満は無くなるのでしょうか。恐らくブーイングの嵐でしょう。

しかし、手の空いた営業マンや開発部門の人間も交代で工場を手伝いに行き、会社一丸となってやりとげた場合はどうでしょう。「素人が工場に手伝いに来ても邪魔なだけだ!」とかリアルな意見は無しにして考えると、前者よりも不満の声は少なくなるような気がいたします。大変な事も皆に分配し、なるべく不平不満の出ない治め方をするのが、リーダーに求められる一番大切なものだと思うのです。

いつもフラフラしている営業マンが高級マンションに住み、工場で朝から晩まで額に汗して働く人達が安アパートに住む・・・、もしそんな会社があったとしたら、そこの社長にはリーダーの資格が無いと思うのです。誰もが一律に平等に・・・、なんて頭のおかしな共産主義者のような事を言っている訳ではございません。
【働かざる者、食うべからず】働きに応じて正当に評価して分配するのがリーダーの資質であると思うのです。


会社に限った話ではございません。
家庭においても、同じであります。子供が可愛いからと言って、何でも最優先していれば当然おかしなガキに育ちます。親がボロボロの靴を履いているのに、ガキは真新しいナイキのスニカーを履いているなんざ有り得ません。たとえ数少ない家族の中にあっても、家長というものは家庭内の貢献度を判断して分配を成すべきなのです。

家の手伝いもしないクソガキが、あれも欲しいこれも欲しい・・・なんてぬかしやがったら容赦なくブン殴ってやれば良いんです。家事を頑張る奥様方にも正当な評価をするべきです。クリスマスケーキのチョコで出来たサンタは、食いたくなくても家長が食うべきなんです。その代わり、常に分配の比率は正当でなければいけません。

自分が稼いだ金だからと言って、家庭を疎かにして遊び歩いたり、自分の趣味にだけ大金を使うような者では、リーダーとして失格であります。こんなクズに付いて行っても良い事など一つもありませんので、大至急離れる事を強くおすすめいたします。まぁ、会社でも同じ事ですよね。

当ブログの読者の中には、シングルマザーの方もたくさんおられます。たとえ母一人であっても立派な家長、リーダーであります。両親が揃っている家庭の事と比較して、我が子に恥ずかしい思いをさせたくないという気持ちは良く分かります。ですが、その環境にはその環境でしか学べない事もたくさんございます。他所に引け目を感じる必要なんてございません。

人としての正しい方向性や、強い家長の姿を見せてあげて下さい。お子様がリーダーのポジションにつく時や、自分がついて行くべきリーダーを選択しなければならない時に、必ず役に立つ筈であります。その判断力こそ珠玉のものであると思っております。


政治家という者達も、各地域を代表するリーダーであります。当然、彼らには卓越した分配する能力が求められます。今の彼らに、その大切な作業ができているでしょうか。残念な事に皆無に近い状態であります・・・。一部の人間だけで利益を分配し、税金と言う名の負担だけは国民全員で分担しましょうなどと、寝ぼけた事をぬかしております。

彼らが上手に分配をしていかなければ、社会には不平不満が広がってまいります。不平不満の多い世の中なんてロクなもんじゃありません。どんどん悪くなっていく一方であります。そもそも今時の政治家連中には、分配の能力以前に『親分肌』と言われるような甲斐性が感じられません。負担を皆で分配する際には、率先して自分が一番多くカブるのがリーダーとしての『器』というものでしょう。


楽も苦労も、皆が極力納得できるように分配する。
それが、人様から必要とされるリーダーの正しい姿というものではないでしょうか。


頑張った人や、人様の為になる事をした人、それをきちんと評価し正しく分配する事、それこそが『政』であります。

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