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雲のように…月のように…

雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…

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時代の宝物

私はこの国に生まれた事をとても幸運に思っております。美しい海と山、それぞれに味のある四つの季節、実に素晴らしい!美しい自然だけではありません。水道を捻れば普通に水が出て、夜は田舎ですら街灯が灯る。どこまでも舗装された道路、もはや全土を制覇した携帯電話。一年中手に入る季節を無視した野菜・果物、世界各国の様々な食材。これほどの国は世界中で『日本』ただ一つでございます。

敗戦の後、祖父や父の世代の方々の一心不乱の頑張りで今日の繁栄があるのです。
我らが大先輩達の時代はとにもかくにも『物』が無かった訳であります。家族や大切な人の為『物』を与える事からのスタートです。冷蔵庫・洗濯機・テレビ、当時は1ヶ月の給料の何倍もしたようであります。【テレビが我が家にやって来た!】この体験をした方々は誰もが未だにその嬉々とした感動をまるで昨日あった事のように話してくれます。今、どんな事をすれば家族や大切な人に『何十年も色あせることのない感動』を与える事ができるのでしょう。

そこまで家族が喜んでくれるのなら、世のお父さん達も頑張り甲斐があるというものです。家族は父を素直に尊敬し、父はまた皆の喜ぶ顔を見たくてまたさらに頑張る。良い方向に歯車がかみ合った時代であると思います。物質的には今よりも不便かもしれませんが、お互いの尊敬・慈愛は何よりも心が満たされるものです。

今の時代、家庭に足りない物などほとんどありません。一家に一台車があっても普通でございます。家族や大切な人に何を与えれば良いのでしょう。ブランド?貴金属?プラズマテレビ?いいえ、そうじゃありません。大先輩たちは実は『物』を与えていた訳ではないのです。「お前らの喜ぶ顔を見れるなら、俺はどんな事でもするぞ!」という『愛』を与え続けていたのだと思います。

「俺は家族の為にこんなに仕事をしてるのに」「彼女の為にこんなに金を使ってるのに」、『のに』。
わかってない!全くわかってない!報道ステーションの古館伊知郎ぐらいわかってない!家族であれ彼女であれ「どんな事でもしてやろう」という本物の『愛』には、『のに』なんか付かないのです。

愛情というものは一方的に与えるものであります。男も女も「こんなに頑張ったのに、わかってくれない…」なんて愚痴を言っちゃあいけません。「あの人がわかってくれないから諦めてこっちの人にしました。」なんて、その程度のもんが相手に通じる訳がないのです。その気持ちが揺るぎのない『本物』であればいつか通じるのが人間てものです。通じなくてもしようがない、死ぬまで一人を想い続けて墓の中まで持って行きゃあ良いんです。それこそが『美しい人間』の姿であります。

家族に対しても然り親が本物の愛情を与え続ければ、子もまた人に対して愛情を与えられる良い人間に育つことでしょう。親の事を嫌っても良いじゃないですか。本当に愛情を与え続けたのであれば、きっと葬式のときには泣いてくれる事でしょう。

人に与え送り続けた『愛情』は往々にして自分に返ってこないかもしれません。ですが『本物の愛情』を受けた側もその大切さに気付き、そしてそれは連鎖をします。人様に『本物の心』をいただいて全く何も気付かない人間も中にはいるでしょう。そいつは本物の馬鹿です、構ってやってもしようがありません。


物に恵まれた今の時代、岩をも通す『本物の心』これこそが宝物だと思うのです。

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