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雲のように…月のように…

雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…

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拘置所①

拘置所での事を書きます。
ここでの私は、未決被収容者という立場であります。
要するに裁判の結果待ちの人間という事です。

先ずは、1日の流れをお教えします。

AM7:30に起床、10分後に朝点検。
結構、遅い朝です。これは、同じ敷地内にある刑務所と関係があるのです。刑務所の起床は6:30、拘置所よりも1時間早いんです。拘置所には『掃夫』という、舎房の雑務係がおります。この人達、実はお隣の囚人なのです。労働として拘置所の『掃夫』を担当している事になります。拘置所では、ほとんどの雑務が掃夫の手によって行われます。だから、彼らが朝飯を終えて出勤してくる時間が、拘置所の起床時間になるのです。起きたら先ず布団をたたみ、常備してあるホウキと雑巾で室内を掃除します。

朝点検とは、それぞれの房の外(廊下)から、中の人員、並びに起床を確認する作業であります。私は独居ですので、外から刑務官が「○○号室1名!」と声をかけます。自分に与えられた番号(称呼番号という)で「○○番!」と答えるのです。これを全室繰り返して、朝の点検は終了です。

各舎房で一斉に点検が行われるのですが、それなりに多くの被収容者がいますので、拘置所全体での点検に10分ほどかかります。朝点検が終るとすぐに朝食の時間となります。食事の事は、違う回で詳しく説明したいと思います。

朝飯が終わり一段落すると、あとは自由時間みたいなものであります。平日の午前中には、運動か入浴のどちらかが必ずあります。どちらかですので、両方が行われる事はありません。土日は免業日と呼ばれ、房から出る事はありません。

運動は30分間、屋上にある独居者用の運動場で行います。約2m×10m位に細かく区切られたスペースがあり、その入口には当然頑丈な鉄格子。屋根は無いのですが、代わりに上にも鉄格子が張り巡らされております。気持ちの良い快晴の空も、鉄格子越しに見上げなければなりません。無粋ですねぇ…(汗)。

この運動は、各々房の単位で行われます。私は独居ですので、この時間も独りであります。30分間、独りで狭いスペースをフラフラと歩き回ったり、柔軟体操をしてみたりと…。まぁ、ヒマを持て余す訳ですが、3畳の独房にいるよりは気分が良いといった感じであります。

入浴は季節によって回数が違うようです。夏場は週3回、冬場は週2回、入浴時間は15分であります。独居は一人ずつ、雑居は2人ずつで行われます。風呂場の入口で称呼番号を言うと、自分の番号が書いてあるT字カミソリを貸してくれます。使い回しをすると肝炎などの病気がうつる可能性があるので、各個人に割り当てられています。

運動後や入浴後には速やかに房に戻り、読書をするなり、書き物をするなり…。房の中では基本的には自由なのですが、横になる事だけは許されておりません。留置場と違い、拘置所は刑務所の管轄であります。拘置所にいるという事は、すでにペナルティとしてカウントされているので、あまりダラダラと生活する事はゆるされていないのです。とは言いましても、それ程厳しいわけでもございません・・・。

AM11:40に、少し早いですが昼食。
その後、12時から13時まではラジオが流れ、『午睡(ごすい)』と呼ばれる昼寝の時間となります。この時間は横になっても構いません。なんと、照明も暗くなります(笑)。

PM1:00からは、また自由時間であります。起きていなければなりませんので、必然的に読書か書き物となります。雑居房(5人部屋)であれば、将棋や囲碁をする事も出来ます。大声を出さなければ、雑談も出来ます。独居は退屈との闘いなんです・・・。

昼食後の1時間と夕方16時以降は、ラジオ放送が各房に流れます。選局はできません。しかし、人気調査に基づいて番組を決めているらしく、それなりに良い番組ばかりでした。夕方は地元の人気AM、夜はFMが多かったようです。房内では、時間がわかりませんので、ラジオはかなり重要であります。

PM4:20には、もう夕食です。
たいして腹も減っていないのに、決った時間には食事孔から飯を入れられる・・・。狭い房で毎日、毎日・・・。なんか、飼われている気分になります。これがブタ小屋と呼ばれる所以であります。

PM5:00、夕点検。
朝との違いは、各房のドアを開ける事。ドアをガチャっと開けて「○○号室1名!」、これを受けて「○○番!」。施錠を確認して点検終了。ここからは、本当の自由時間であります。布団を敷いて寝てもOK、ゴロ寝で読書も許されるのです。もちろん、そのまま就寝しても構いません。

PM9:00、消灯。
ラジオ放送も終わり、消灯となります。消灯と言っても照明が薄暗くなる程度で、夜通し本を読む事も可能な位の明るさです。本を読んでいるのを見つかると怒られますが・・・。何回も見つかると懲罰の対象になります・・・(汗)。

看守が夜通し見回りをするので、房内を監視できる程度の明るさが保たれる訳です。暗くなければ眠れない人には最悪ですね(笑)。

土日の免業日には、運動も入浴も面会も無し・・・。房から出る事はありません。ラジオが朝9時から消灯まで流れています。


これが、拘置所での1日であります。

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