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雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…
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最近やけにバタバタとした日々を過ごしておりましたが、本日は珍しく午後のワイドショーなんかを観る暇がございました。偽乳成金馬鹿姉妹のニュースが終わった後に、非常に興味深い特集をやっておりました。福島県は矢祭町(やまつり)という小さな町の名物町長と行政の取り組みについての特集であります。
昨日に続き爺さんネタであります(笑)。
福島県矢祭町といえば数年前に『市町村合併をしない!』宣言で有名になった町であります。ここの町長さん、根本良一さんという方ですが、最初にやった仕事は自分の給与の大幅カットでございます。本人曰く「こんな田舎で毎月70万も80万も貰っても使い道がないでしょう。そんなにいらんよ(笑)。」・・・素晴らしいですね。
一時期、この町長さんが体調を崩し任期半ばにして辞意を表明した事があったそうです。その際、役場に町民がドッと押し寄せ「頼むから、辞めないで欲しい!」と一騒動あったのだそうな。役場の外にまで人が溢れ大騒ぎだったそうであります。直後の記者会見で涙につまりながら「それでは行けるところまで行かせていただきます・・・。」、勿論駆けつけた町民は拍手喝采であります。
この矢祭町、町長の頑張りもあって財政破綻の危機に喘ぐ地方自治体の中では、唯一と言っても良いほどに借金を毎年減らしているそうであります。町の職員の数もグッと減らしたのにも関わらず、町民へのサービスは格段に上がっているのです。町役場は年中無休、しかも体の不自由な人達のために役場の方から出張サービスまであるそうです。しつこくなりますが、人数を減らしたのにです。
当然、役場の職員にしてみれば単純に労働が増える訳ですから堪ったもんじゃありません。しかし、インタビューに答える職員の顔にはそんな感はございませんでした。むしろ仕事に対する充実感や誇りを感じました。『私を捨て民のための僕(しもべ)、本来の公僕であるべし』という町長の理念が彼らにも浸透しているようであります。
今年の1月14日には町の図書館がオープンいたしました。通常図書館の設立には約10億円かかるところを、インターネットで書籍の寄付を募り約1億5千万で開館したそうです。今でも毎日本が山のように届いているらしいです。そして、寄付された本を開梱したり分類したりするのは全て町民のボランティアで行われております。
「我々が本気で町を何とかしたいという気持ちが伝わって、じゃあ俺も付き合うかという人が出てきたんじゃないかねぇ。税金で暮らしている俺達が一生懸命やらないで、町民の皆さん手伝って下さい・・・じゃあ話にならんもんねぇ。」なんて町長は笑顔で話しておりました。
その他にも町独自のクーポン券納税のシステム、企業の誘致、少子化対策、とにかくアイディアと行動力のある爺様であります。町長の権限で、ここまでの事ができるとは思っておりませんでした。
驚きであります。
この特集が偽乳おげれつ姉妹の後じゃなければ、もっと素晴らしかったんですけどねぇ・・・。本当はゴールデンタイムに時間をかけて放送するべき内容だと思います。まぁ、使えないメディアの連中がこの特集を放送したというだけでも上出来とするべきでしょう。
こんな町長が世の中に何人もいるとは思いませんが、まだまだ日本も捨てたもんではないなという気がいたします。
最後に・・・、この町長いつも『町長たる証』のバッヂをしていません。「何でバッヂをしないんですか?」と言う問いに「そんなもん必要ねえべ!(爆)」と答えたそうです。
根本良一さん、あの爺様は最高の男であります!