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雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…
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10月10日は亡き祖父の誕生日。
ブログ開設当初に登場した例の祖父であります。
本来であれば『体育の日』でしたが、連休欲しさの木っ端役人共が考え出したハッピーマンデー法により、普通の日に格下げされてしまいました。
大袈裟になるのが嫌なので、一人でこっそり墓参りに行ってまいりました。普段も月一回は墓の掃除に来て線香をあげておりますが、今日は誕生日なのでいつもより丁寧に。墓石を磨き、雑草を抜いて、小物類も洗って、花を飾り、酒を撒いて・・・、やはり誰か連れてくればよかったかなぁ・・・(汗)と思ってしまいました。
そこは郊外にある今時流行の巨大な霊園なのですが、平日(しかも連休明け)にも関わらず結構な数の人達が墓参りにいらしておりました。霊園自体もどんどん拡張しており、祖父の墓を建てた時よりも倍位の大きさになっております。それだけ日々人が亡くなっている訳であります。
毎月行っておりますと、ついついよそ様の墓まで覚えてしまうものです。水汲みに行く際なども他人様の墓がどうしても視界に入ってしまいます。日頃から花を絶やした事の無いお墓、異常なまでに酒が供えてあるお墓、雑草だらけで誰も手入れしてないお墓。その霊園では墓の横に黒御影のプレート(墓誌というらしい)が有り、そこには墓で眠っている人の名前と没年齢が彫られています。長寿を全うされた方、働き盛りに亡くなった方、青春と呼ばれる時期を迎えられなかった子供さん・・・。
覗き見をしているようで気分が悪いのですが、つい色々な事を想像してしまいます。やはり幼い子が一人で納められている様は、赤の他人と言えども切ない限りでございます。
この大きな霊園には、通常の墓石のエリア、洋風(芝生にプレート)のエリア、デザイン墓石のエリアなどと、いくつかのエリアに分かれております。
中には墓石に大きく『酒』と彫ってある物もありました。人様の墓に対して申し訳無いのですが、いくら生前好きだったとしても墓石に書かれるのは嫌でございます。『寿司』とか『肉』とか書かれているのと変わりないと思うのですが・・・。
わざわざエリアを設けてある訳ですから、当然宗教や宗派にも違いがあるのでしょう。死んでしまえば皆同じ灰なのですが、かく言う私も墓を大切にしております。宗教の垣根を越えて『墓』という物自体が、日本人にとって大事な物なのだなぁと実感いたしました。
『墓』を大切にする、日本の愛すべき習慣の一つであります。