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雲のように飄々と…月のように夜道を照らし…
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ひと騒動ございました・・・。
世間様は連休だし、楽しい映画の記事でもと思い半分位まで書いておりました。土曜の夜にでも更新しようと思っていたのですが、その前に無二の大親友からの電話が入ったのです。
私には、唯一無二の大親友がいるのです。彼は、堅気で飲み屋を営んでいるのですが、互いに兄弟と呼び合っております。私より2歳年上で、ガキの頃から一緒だった訳でもなく、たった7年位のつきあいなのですが、互いに人生で最高の友だと思っております。夜10時から朝7時位まで営業している飲み屋で、朝方は奴の店で過ごすのが普段の日課になっているのです。
土曜の夜9時位に彼からの電話で「今日来るか?」と。毎日のように行っているのに、こんな電話は珍しい事なのです。いつもの時間に行こうと思っていたのですが、何か様子がおかしいなと感じ、開店と同時に行ってきました。電話の事を訊くと、なんとなく気になって掛けただけだと言うのです。とりたてて変わった様子も無いので、1時間ほど雑談をして「4時位に戻って来るわ!」と言って店を出ました。
その後私は、いつも通りの檀家回りでございます。後輩の店で飯を喰い、スナックやパブを数件回るのです。そして朝方4時頃に、彼の店に戻ったのであります。
いつも通りの常連客が集まり、サイコロ勝負で酒を呑んだり、賭けダーツをやったりと、全くもっていつも通りの光景でした。客もあらかた帰り、最後に1時間ほどサシでダーツ勝負をして、店を閉めたのが朝の8時頃であります。
互いに機嫌よく「そんじゃあ、明日なぁ!」なんて言って別れたのです・・・。
私も家に帰り、ネットでの販売等もやっておりますので、ひとしきりPCをチェックして昼頃ようやく眠りにつきました。3時間後に目が覚めボーっとしておりますと、見た事の無い番号から着信がありました。面倒臭いので放っておいたのですが、あまりにもしつこく何度も鳴るので、何かのトラブルかなと思い仕方なく電話に出ました。
電話の相手は、彼の母親でした。
彼の両親は共に70を過ぎており、孝行息子の為にたまに店を掃除しに来るのです。連休の最後だし店も汚れているだろうと思い、昼過ぎに夫婦で掃除をしに来たら、床に息子が倒れていて、カウンターの上に遺書があったと言うのです。首吊りをしようとしたらしいのですが、失敗して気を失い倒れていたようです。
自殺・・・?
私は全然事態を把握する事ができませんでした。
普段と変わりなかったのに、朝まで一緒にいたのに、ダーツを楽しそうにやってたのに、一緒に店を出て「明日なぁ」って言ったのに・・・、何が何やら判らなくなってしまいました。
本人が泥酔していた事もあり意識もまだ朦朧としている所を、両親が自宅に連れ帰ったと言うので、私も大至急飛んで行きました。
本人が目を覚ますと、私がいる事に驚いた様子でした。
少し申し訳なさそうな顔でボソッと「何で居るのよ?」。
こちらは煙草をプカーッとふかし「当たり前だろう」(-。-)y-゜゜゜
面を見て、なぜかもう大丈夫だなと思いました。
本人が店で話をしたいと言うので、両親と4人で店に向かいました。店に入ると、束ねたハンガーとタオルが床に落ちていました。
カウンターには、メモ用紙2枚の遺書。
酒も醒めてきて落ち着きを取り戻したようで、もう大丈夫という事になり、両親に帰って頂く様お願いをいたしました。コッソリと遺書を取り、お母さんのポケットにねじ込みました。「言葉は悪いけど記念に持って帰りなさい。もう大丈夫だから。大事にしまっときなさいよ。」と伝えました。最後まで「息子をお願いします。」と何度も何度も頭を下げて、お帰りになりました。
遺書の冒頭は、『父さん、母さん、今までありがとう。兄弟(私の事)すまん。そして皆、世話になったな・・・』。死の理由については一切触れず、お礼と謝罪だけの文章でございました。
二人きりになってから、ようやく重い口を開き始めました。原因は一つではないのですが、最大の原因は一緒に住んでいる女との不和でした。水商売と言うのは、一見楽しいだけの商売に思えますが、一年中人様の愚痴ばかり聞かなければならない大変な商売です。人の相談ばかりを毎日聞いていて、自分は誰にも愚痴すら言わずに、とうとう心がパンクしてしまった様なのです。
当然、何で俺に言わねぇのよ?と言う話になります。
私は、愛する女に対して独自の論理を持っていて、女との不平不満を人に言った事が殆ど無いのであります。そんな私を誰よりも知っているからこそ、どうしても言えなかったらしいのです。ゆっくりと話を一つずつ聞いてやると、どんどん表情が和らいでいくのが判りました。結局10時間以上も話をしてしまいました(汗)。毎日のように会っているのに、気づいてやれなかった私もどうなんでしょう。
「いやぁ、恥ずかしい事したなぁ・・・」
「別にいいだろ」(-。-)y-゜゜゜
「そうじゃなくて一発で死ねなかった事よ」
「思いつきでやるからよ」(-。-)y-゜゜゜
「じゃあ今度は頑丈な金具と紐、用意するわ」
「男はチャカ(拳銃)だろ」(-。-)y-゜゜゜
「ガスとかの方が確実かな?」
「だぁから男はチャカだっつってんだろ」(-。-)y-゜゜゜
「手に入らねぇべ!」
「どこにでも有るよ、んなもん」(-。-)y-゜゜゜
「じゃあそん時頼むな、餞別だから只で」
「次にどうしても死にたくなったら言えよ、俺の手でキッチリ殺してやるよ。その方が失敗も無ぇし、本望だろ。」(-。-)y-゜゜゜
「なんか腹立ってきた、もう死なねぇわ」
「だろ~~♪」(-。-)y-゜゜゜
自殺に失敗したその日の会話なんでしょうかコレ・・・。
この後、ダーツで5番勝負をして、2勝3敗で負けました。
死ねば良かったのに・・・(怒)。
記事にするかどうか少しだけ悩みましたが、笑い話で済んだのでこれで良しといたします。( ̄^ ̄)ヨシッ!
本人は今日も元気に店を開けております・・・アノ野郎。
人間どこにどんなストレスを溜めているのか判らないものだなぁ、と痛感いたしました。簡単に死のうとした兄弟も情け無い、全く気づいてやれなかった自分も情け無い、大反省でございます。
まだまだ修行が足りません・・・。
車で家まで送った帰り道、メールが入っておりました。
スマン兄弟・・・
アリガト兄弟・・・
「おうっ、なんもだぁ~♪」(-。-)y-゜゜゜